「炭水化物は減らすほど痩せる」はウソ — 脳と赤血球の生命線と、お米150gの根拠

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炭水化物、怖いですか? 僕は発信の中で「炭水化物は大事だよ」と何度も伝えてきましたが、その理由まではあまり話せていなかったなと思っています。炭水化物の重要性がちゃんと分かると、食べることが怖くなくなります。炭水化物を食べても太らないことも、血糖値への不安が和らぐことも分かってきます。今回は、正しい炭水化物の摂り方の話です。

今日の動画で扱うこと

  • 炭水化物は「糖質」と「食物繊維」でできている
  • 脳と赤血球は、ほぼ糖質でしか動けない
  • 毎食お米150gをすすめている根拠
  • 糖質が足りないと、肝臓がパンクする
  • 世界の国が決めている炭水化物の目標量
  • 白米・玄米・雑穀・芋・パン・果物の選び方

炭水化物 = 糖質 + 食物繊維

炭水化物は、糖質と食物繊維がくっついたものです。

糖質は、体の中ですぐ使われるエネルギーです。お米、パン、芋、砂糖、果物に含まれています。

食物繊維は、人の消化酵素では分解できない成分です。小腸で消化されずに、うんちになります。血糖値の上がり方を緩やかにしたり、腸内細菌のエサになったりします。白米や食パンには少なめですが、炭水化物の食べ物には全体的に食物繊維が含まれています。

まずは、炭水化物の中に性質の違う2つがある、ということを覚えておいてください。

脳と赤血球は、ほぼ糖質でしか動けない

脳が使うグルコース(炭水化物が分解された先のもの)は、1日あたり約120gと言われています。赤血球が使うグルコースは1日あたり約30g。赤血球はエネルギーを作るミトコンドリアを持っていないので、糖質しかエネルギー源にできません。

つまり、脳と赤血球だけで1日150g前後の糖質が必要になります。

お米150gを毎食、の根拠

僕は普段から「お米はだいたい150gを毎食、3回とりましょう」と伝えています。これには根拠があります。

お米150gに含まれる糖質は約55g。ざっくり50g × 3食で150g。脳と赤血球に行き渡らせるための、必要最低限の量になります。

SNSで言われている「お米は100gがいい」「150gに根拠はない」という話は違う、ということが分かりますよね。この前提を知っているかどうかで、炭水化物との向き合い方は変わってくると思います。

いちばん大事なのは、血糖を下げすぎないこと

炭水化物をとる目的で一番大きいのは、血糖値を下げすぎないことです。

筋肉や肝臓は、糖質だけでなく脂質もエネルギーにできます。ただ、脂肪や筋肉を分解してエネルギーにするのは、たくさんの変換が必要で効率が悪いんです。糖質ならスッとエネルギーにできます。

糖質が足りないと、体は糖新生という仕組みで、中性脂肪や筋肉からエネルギーを作ります。このとき頑張るのが肝臓です。

肝臓はもともと仕事がとても多い臓器です。アンモニアの解毒、血糖値の調整、胆汁酸の分泌のサポート、女性ホルモン(エストロゲン)の調整、ストレスホルモンへの関わり。そこへ負担が重なると、本来のメインの仕事ができなくなります。

仕事で、資料を作って、電話に出て、新人の研修をして、コピーをとって、営業に回って、部長と面談して……と全部頼まれたら、頭がパンクしますよね。炭水化物が不足して血糖が不安定になるのは、知らないうちに肝臓へこういう複雑なタスクを要求しているのと同じです。

炭水化物をとってあげると、肝臓は本来やるべき仕事に戻れます。たんぱく質や脂質の発信はたくさんありますが、まずは炭水化物がちゃんととれているか。そのうえで、たんぱく質と脂質を見ていく順番です。

糖質制限をすすめている国はない

世界のほぼ全ての国が、炭水化物の目標量を総エネルギーの50〜60%程度に設定しています。WHOも、日本の厚生労働省もそうです。糖質制限を推奨している国はありません。

15,000人以上を25年間追跡した研究でも、炭水化物の摂取量が極端に少ない人も、極端に多い人も、どちらも死亡リスクが上がっていました。いちばん死亡リスクが低く寿命が長かったのは、50〜55%程度の中くらいの人たちです。

ここで一つ補足です。「炭水化物は50〜60%」だけを切り取って、「私は1200kcalだから600kcalとればいいんだ」と考える人がいますが、そうではありません。総摂取カロリーと、PFCバランスの基準を両方満たすことが必要最低限の条件です。僕が伝えている代謝回復の定義も、摂取カロリーがちゃんととれていること、炭水化物・脂質・たんぱく質のバランスが適切にとれていること。この2つです。

白米か、玄米か

白米は消化に優しい一方で、ビタミン・ミネラル・食物繊維はそれほど多くありません。茶碗3杯食べても、食物繊維は1.5g程度です。

玄米は同じカロリーで比べると、ビタミンB1が約8倍、マグネシウムが約7倍、食物繊維が約5倍。ただ、消化に負担がかかりやすいというデメリットがあります。

こう並べると玄米のほうがいい気がしますが、ビタミンB1は肉や魚にもたくさん入っていますし、マグネシウムは芋類やバナナにも入っています。芋をとれば食物繊維もとれます。わざわざ玄米でなければいけない理由はありません。

僕は味覚も大事な基準だと思っています。玄米が嫌いな人が無理に食べるのはしんどいですよね。白米か玄米かに絶対の正解はないので、消化の力や血糖の調整力、体調と好みで選んでください。指導の中では、ほとんどの方に「白米でいいよ」と伝えています。

主食にバリエーションを

お米だけでなく、主食にバリエーションを持つのもおすすめです。

  • 雑穀・オートミール・押し麦:食物繊維やマグネシウム、鉄が豊富。僕は白米の食べやすさを残したまま穀物が少し入る、雑穀米がちょうどいいと思っています
  • さつまいも・じゃがいも・かぼちゃ:じゃがいもにはビタミンCが入っていたり、栄養が豊富です。お米にプラスして芋類を食べる感じで
  • 全粒粉や古代小麦のパン:栄養価が高いです。僕は全粒粉のパンが好きで、ブルーベリージャムをつけたり、チーズや肉、野菜を挟んでハンバーガーみたいにして食べています

果物は太らない

SNSではいまだに「果物は太る」という発信がありますが、太りません。国の目安でも、果物は1日200g程度とることがすすめられています(脂肪肝がない前提です)。

「果物で太る」と言われる元のデータは、果物そのものではなく、ジュースや果糖ぶどう糖液糖を、コーラ2リットル以上のような凄まじい量でとったときに肝臓に脂肪がたまった、というものです。そんなにとったら何だって太ります。お米だって1日30合食べたら太りますよね。結局、とりすぎもとらなすぎも良くないという話です。

果物は血糖も安定させやすいので、耐糖能が低下している方には、血糖値を穏やかにするために果物を使うといいよと伝えています。

精製された糖との付き合い方

WHOなどは、白砂糖や果糖ぶどう糖液糖のような精製された糖は糖尿病のリスクを高める、としています。摂取量が増えるのだから当然ですよね。

ただ、本当に考えなきゃいけないのは、糖尿病になった人の脂質の量はどうだったか、炭水化物が脂質より相対的に少なくなかったか、ビタミンやミネラルはとれていたか、というところです。何十万人ものPFCバランスやビタミン・ミネラルを何十年も細かく追うのは現実的には難しいので、「精製された糖は危険」という結論になっているんだと思います。

普通に生活していて、精製された糖を完全に排除するのは無理です。僕もフラペチーノが好きでよく飲みますが、全然気にしていません。普段から血糖の調整力を落とさずにおいて、イベントや美味しいデザートを食べても大丈夫な体をつくっておく。ここを主軸に考えるべきだと思っています。

全粒穀物を1日2食分増やすと2型糖尿病のリスクが21%下がった、という報告もあります。お米をしっかりとって主食をしっかりとったうえで、芋や果物もとっていく。これが一番いいと思っています。

まとめ

炭水化物は減らすのではなく、正しく選んでとるものです。お米150gはマスト。怖がらずに、楽しく、美味しく食べてください。

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